キーイメージ
エメット=クレイトンが、トムリン=デューディックをゴミ処理機のそばによびだす。
DVDチャプターリスト
(1)メイン・タイトル/世紀のチェス決勝戦 (2)予期せぬ決勝戦 (3)コロンボ登場 (4)チャンピオンでいるために… (5)生きていた被害者 (6)コロンボの追求 (7)すり替えられた薬 (8)断たれた音 (9)エンド・クレジット
犯行の動機
チェスの元世界チャンピオンのトムリン=デューディック(被害者)は引退していたが、現世界チャンピオンのエメット=クレイトン(犯人)と対決するためにカンバックしてきた。
二人は、明日の対戦をひかえながらも、ホテルのちかくのレストランで、つづいて、クレイトンの部屋の中でひそかに対局をもつ。結果は、デューディックが勝ち、クレイトンが負ける。クレイトンには悪夢がよみがえり、幻聴がおそいかかる。そして自分の補聴器を壁にたたきつける。このままではチャンピオンの座をうばわれてしまう。
クレイトンは、ホテルの巨大なゴミ処理装置をつかった殺人をおもいつく。
コロンボはいつどこでピンときたか
ホテルのデューディックの部屋で、クレイトンがお悔やみの言葉をのべたとき。
クレイトンは、デューディックは死亡したとおもいこんでいた。しかし実際には、重体ではあるが、まだ生きていたのであった。クレイトンがあやしい。
犯行を裏付ける事実
デューディックの鞄の中に入っていた歯ブラシは義歯用の彼のものではなく、健康管理係のものであった(誰かほかの人が荷造りをした)。デューディックがのこした手紙はメモ用紙に書かれていた(封筒は、彼の公式のものをつかっており、便箋は、部屋にあったにもかかわらずつかっていない。部屋にはメモ用紙はなかった)。その手紙には署名がなかった。デューディックの鞄に彼の(携帯用の)チェス・セットが入っていなかった。
クレイトンの補聴器は事件当時こわれていた。
クレイトンは、デューディックとレストランで対局をしていたことをだまっていた(デューディックの服を分析した結果、レストランがわれた)。レストランの対局では、「年配の紳士(デューディック)が『塩』(つまり白)をうごかし、クレイトンが『コショウ』(つまり黒)をうごかした」と店の主人は証言し、クレイトンは「デューディックに勝った」と言っているが、デューディックがのこした記録では白(デューディック)の勝ちとなっている(クレイトンはデューディックに勝ったと言っているが、実は負けたのではないか)。
クレイトンは病院で、デューディックの薬のリストをみた(記憶してメモした)。クレイトンは記憶力が非常につよい。
クレイトンがつかっていたペンのインクと、デューディックの手紙を書いたペンのインクが、分析の結果同一のものであることがわかり、デューディックの手紙はクレイトンのペンで書かれた可能性がある。
デューディックがおちたゴミ処理機には安全装置がついている。
コロンボはいかにして決着をつけたか
コロンボは、クレイトンを、デューディックがおちた地下のゴミ処理機のところにつれていく。
「こうどならないですめば、あたしだって話しやすいんですよ。でも機械がうるさくって(It would be easier if I did not have to shout. But the damn machine?)」(コロンボ)
「じゃあ、機械を止めたらどうだ!(Well, turn the damn thing off!)」(クレイトン)
コロンボは、だまっている。すでにそのとき、機械は止まっていた。
「お気の毒だが、縦から見ても横から見てもあきらかなんだ。この事件の犯人は、耳の聞こえない人物以外にないんです(I’m sorry, Mr.Clayton, but along with all the other trivial evidence that we’ve talked about, the murderer in this case just had to be a deaf
man)」(コロンボ)
ゴミ処理機は、物が入ると、安全装置が作動して自動的に停止する仕組みになっている。クレイトンが、デューディックをつきおとしたときも安全装置が作動して機械がとまった。そのために、デューディックは死亡しなかったのである。
犯人はどうして、機械が停止したことに気がつかなかったのか。どうして、デューディックがゴミ処理機の中で死亡したとおもいこんだのか。それは、事件当時、クレイトンは補聴器をつけておらず、耳が聞こえなかったからである。
解説:仮説を現場で検証する
クレイトンが、10人もの人々を同時に相手にしてチェスの対局をおこなっている。そこにコロンボがあらわれ、チェスの対局とともに、コロンボとクレイトンの最後の対決がすすむ。コロンボがクレイトンを攻めこんでいくと、クレイトンは反発する。
「ほのめかし、そして風刺、無能な刑事のやる手だ(Innuendo, insinuation, circumstantial trivia)」(クレイトン)
「そのきらいもありますがね、全部まとめると陪審も納得するとおもいます(That could be true, sir, if you put it all together, maybe the Grand Jury will feel differently)」(コロンボ)
コロンボは、緻密な捜査をすすめ、実にたくさんの状況証拠をあつめた。そのために化学的な分析もおこなった。これだけたくさんの多種多様な状況証拠をまとめあげれば、誰でも、犯人はクレイトンだとわかる。つまり、犯人はクレイトンだという仮説はゆるぎないものとなる。
しかしクレイトンは最後の抵抗をする。
「世界最高のチェスプレーヤーたる者が、君の言うような過失をおかすとおもっているのか(Do you really think that the finest chess player in the world would make even half the mistakes that you ascribe to me?)」(クレイトン)
その直後、一人の対戦相手が詰んだと言う。
「ほらね、見落としってあるんですよ(Just a foolish blunder. It could happen to anybody)」(コロンボ)
「よーし。立証してみろ。証拠だ。何もないじゃないか。証拠を見せろ!(Prove it to me. Prove it. Prove something. Prove it)」(クレイトン)
こうして、コロンボは、クレイトンをゴミ処理機のところへつれていき、仮説を現場で検証したのである。このエピソードでは、多種多量な情報を仮説にまとめあげ、それを現場で検証するという、犯罪捜査の基本的方法がわかりやすくしめされていた。
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